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家の屋根材が生産終了!?廃盤になっても困らない屋根材&生産終了した屋根材のメンテナンス方法とは?




現在、ほとんどの屋根材は工場で生産され、現場で切削・加工の作業をすることも少なくなりました。

結果、新築や屋根リフォーム時の工期短縮・人件費削減が実現し、お客様の負担を減らすことにもつながっています。


ですが、どんどん新製品の開発が進んで屋根材の種類が増えた一方、昔のモデルは生産終了・廃盤となるケースも増えています。


お家は、通常何十年と長く住むものです。

家を建ててから時間が経ち、屋根のリフォームをしようと思っても、同じ屋根材が販売されていない可能性も考えられます。

互換性のある別の屋根材があればいいのですが、該当する屋根材がない場合もあります。


そこで、このページでは、

・生産中止になっても大丈夫な屋根材と困る屋根材

・生産終了になった屋根材


について紹介していきます。

また、すでに廃盤となってしまった屋根材のメンテナンスについても解説していきます。


目 次



1 メンテナンスをしようと思ったら屋根材がない!?

屋根のメンテナンスを行うのは、通常家を建てて10年近く経ってからです。

ですが、いざ工事をしようかと思ったら、屋根材が廃盤になっていた、モデルチェンジしていて互換性がない、といったことがあります。

戸建て住宅にもトレンドがありますので、メーカーも流行に合わせて定期的に新しい屋根材を販売しています。

そのため、新築時には多く使われていた屋根材が、メンテナンス期には手に入らない、ということが起こってしまうのです。

ほとんどの方は、いざメンテナンスをしようと点検をしたときに、初めてご自宅の屋根材が生産終了していることに気づきます。

どの屋根材が生産終了になるかは、各メーカーがホームページに掲載していることが多いですが、逐一会社のホームページをチェックしている方はいないですよね。


「メンテナンスをしようと思ったら同じ屋根材が生産終了していた…」

「以前から生産終了になっていることは分かっていたけど、今後のメンテナンスはどうすればいいの?」

とお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。



2 生産中止になっても困らない屋根材とは?

そもそも、生産中止となってしまっても、モデルチェンジしたものや別のメーカーの屋根材で対応できる場合もあります。

この章では、生産中止してもメンテナンスに支障がない屋根材を紹介します。

●化粧スレート

化粧スレートは、暑さ5mm程と薄くて軽い素材で、現在日本で最も使用されている屋根材です。

日本では、ほとんどの化粧スレートはケイミュー社が生産しています。

モデルチェンジも行われていますが、大きさや厚みはほぼ同等で、生産終了していても新しい屋根材で対応できることがほとんどです。

また、スレートはカットして使用できます。大きさに誤差があったり、数枚だけ差し替えたいといった場合にも対応できます。


●粘土瓦

耐久性に優れた粘土瓦ですが、よく使用されるのはJ形瓦という和瓦です。

こちらは、JIS(日本工業規格)によって大きさ・厚みの規格が6種類定められています。

定型で生産されているので、新築から年数が経っていてもメンテナンスが可能です。


●樹脂製波板

樹脂製波板も規格が定められているため、生産中止になっていても別の商品で対応できます。

アクリルからカーボネイトへ素材の変更がありますが、交換には問題ありません。


●金属波板

金属波板も規格が定められています。

トタンからガルバリウムへ素材の変更がありますが、重さもほぼ変わらず、部分的な交換にも対応できます。

●スレート波板

アスベストを含むものは現在生産中止となっていますが、現在販売されているノンアスベストの屋根材で交換が可能です。


●折板屋根

様々なサイズが販売されていますが、最もメジャーな高さ88mmの製品は多くのメーカーが取り扱っています。

汎用性も高く、ひとつのメーカーで生産中止になってしまっても別のメーカーの屋根材で対応できます。



3 生産が終了した屋根材

続いては、生産が終了してしまった屋根材を紹介します。

戸建て住宅で使用されていたにも関わらず、短期間で生産が終わってしまった屋根材は、以下の2つです。


●モニエル瓦

イギリスに本社を置くモニエル社が販売していたセメント系の屋根材で、通常のセメント瓦とは塗装の処理が異なります。

2010年に日本からは完全に撤退し、販売終了となっています。

当時はたくさんの在庫を抱えていましたが、東日本大震災で倉庫が被災、在庫のほとんどが使用できなくなってしまいました。

現在は入手が難しく、手に入ったとしても葺き替え作業などで不要となった中古品がほとんどです。


●セメント瓦

現在でも複数の会社が生産をしていますが、モデルチェンジをしており、生産終了となった商品には代用できません。

こちらも、仮に入手できたとしても中古品、という状態です。

モニエル瓦もセメント瓦も、比較的安価で品質も均一でしたが、粘土瓦ほどの耐久性はありません。

塗装などでしっかりメンテナンスをしないと脆くなっていまいます。

中古品ですら入手困難なのは、そのためです。




4 モニエル瓦・セメント瓦のメンテナンス

モニエル瓦もセメント瓦も、塗装による定期的なメンテナンスが必要です。

ですが、経年劣化すると割れやヒビが発生することが多く、そのような状態になると塗装だけで保護することはできません。

いずれは、葺き替え工事が必要となります。

屋根の葺き替えでは、新しく取り付ける屋根材は今までのものより軽い、もしくは同じくらいの重さでなければいけません。

モニエル瓦もセメント瓦も比較的重い屋根材なので、葺き替えに選べる屋根は多いです。

では、いつ葺き替え工事をするのがいいのでしょうか。



5 モニエル瓦・セメント瓦の葺き替え工事の時期

将来的に葺き替えが必要でも、寿命までは長く使いたい、という方がいれば、劣化が心配だからすぐに工事したい、という方もいらっしゃいます。

長く使えば環境にも優しいですし、すぐに葺き替えれば自然災害による被害に備えることができます。

いつ葺き替えても、メリット・デメリットはあります。

そこで、ここからは、寿命まで使用した場合と、すぐに吹き替えた場合の2パターンの費用を見ていきます。

おおよそのメンテナンス費用を計算しましたので、いつ葺き替え工事をするか迷われている方は、ぜひ参考にしてくださいね。


●寿命まで使用した場合

モニエル社が日本から撤退したのが2009年ですので、当時モニエル瓦の家を建てた方は、そろそろメンテナンスが必要な時期です。

一般的な戸建て住宅だと、屋根のメンテナンス費用は、塗装費用に20~40万、漆喰の詰め直しなどで20万、足場費用に10~20万と総額70万程度かかります。

今塗装工事を行った場合、次の塗り替えは10年後です。

ここで、再度塗装工事をするか、葺き替え工事をするかという選択になるかと思います。

塗装を選ぶと再び10年の耐用年数となりますが、金属屋根に葺き替えた場合は、30年近くの耐用年数となります。

ですので、寿命まで現在の屋根を使った場合には、

・1回目のメンテナンス(塗装工事) 70万

・2回目のメンテナンス(葺き替え) 120万

なので、ご自宅を50年維持すると仮定すると、屋根のメンテナンスには総額190万円かかります。


●すぐに葺き替えた場合

1回目のメンテナンスで塗装ではなく葺き替えをした場合は、以下のようになります。

一度の屋根葺き替え工事で費用は120万円、40年間お家を維持することができます。


平成28年度の国土交通省の調査によると、ご自宅を初めて購入するのは30代が最多です。

つまり、寿命まで屋根を使用した場合は80代まで、すぐに葺き替えた場合は70代まで屋根の寿命を保つことができます。

一度塗装をするか、すぐに葺き替え工事をするかは、ご自身のライフプランや屋根の劣化具合、予算などを考慮して判断される方が多いかと思います。

ですが、災害時の万が一のリスクを考えると、早めの葺き替え工事がおすすめです。


前述した通り、モニエル瓦やセメント瓦は生産が終了しており、中古品でも入手が難しい状態です。

台風で瓦が剥がれたり、地震で崩れてしまった場合、被害直後は、しばらく養生など応急処置で対応することになってしまいます。


年々台風による被害は拡大しており、秋の台風シーズンには悪天候が続きます。

大きな地震も増えていますし、余震が続くこともあります。

そういったときに、養生の処置だけ、となってしまうととても心配ですよね。

連日の雨や地震が起こると、さらに被害が拡大する可能性もあります。

また、いざ修理するとなっても、モニエル瓦やセメント瓦はなかなか手に入りませんので、基本的には葺き替え工事をすることになります。

大きな災害の後は資材不足・業者も忙しくなることから、工事が遅れてしまう場合も多いです。


モニエル瓦を例に挙げれば、東日本大震災でその在庫のほとんどが割れてしまいました。

メーカーの倉庫が無事であったとしても、地割れや土砂崩れなどで交通が麻痺したり、ガソリン不足によって資材が搬入できない・業者がこれない、ということも起こりえます。

ですので、災害時のご自宅の被害を最小限に抑えるため、災害に備えるためにも、できるだけ早期の葺き替えをおすすめしています。


「自宅がモニエル瓦・セメント瓦だけどメンテナンスに迷っている…」

「屋根材が生産中止と言われたけど、どうすればいいの?」など、屋根に関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください!

屋根は直接のぼって見ることはできませんし、注目する部分でもないので、あまり気にかけている方は少ないかと思います。

ご自宅の屋根材がスレートなのか、金属なのか、など、普段気にすることもないですよね。


まずは、点検をして屋根の状態を知ることが重要です。

サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス)では、無料で屋根の点検を承っております。

屋根にのぼって細かく状態をチェックし、お客様にお写真を見ていただきながら、丁寧に点検結果をご説明いたします。

屋根のメンテナンスにお悩みの方は、ぜひサンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス)にご相談ください。



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「著者情報」

 関裕一 

東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット

​サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者

18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。

​塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。

お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。

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