屋根や外壁に使われるガルバリウム鋼板ってどんな素材?特徴やメリットを徹底解説





ガルバリウム鋼板は、現在の戸建て住宅でもっとも使用されている素材です。


軽量で耐用年数が長いので、屋根材として、屋根カバー工法や葺き替えでもよく使われています。


2014年に登場した、エスジーエル鋼板はさらに性能がアップしています。

超高耐久ガルバ素材の屋根材は、変褪色・赤錆・穴あきによるメーカー保証はそれまでより5年も伸び、人気を不動のものとしています。


ガルバリウム鋼板は、屋根材だけでなく、外壁材としても使用されることも多くなっています。


今回は、ガルバリウム鋼板についてご紹介します。

ガルバリウム鋼板を使用するメリットやデメリット、ガルバリウム鋼板とエスジーエル鋼板の違いなども、詳しく解説していきます。



建材だけではない!ガルバリウム鋼板の使い道


ガルバリウム鋼板については、屋根のリフォームの際に、屋根材の素材として知ったという方も多いでしょう。


しかし、ガルバリウム鋼板は屋根材だけでなく、実にさまざまな場面で使われています。

わたしたちの身近なところ、例えばデスクトップPCのケース、冷蔵庫やレンジの外装などもガルバリウム鋼板です。


自動販売機やガードレールも、ほとんどがガルバリウム鋼板です。

ちなみに、自動販売機は虫が寄ってこないように、防虫処理がされています。

屋根のリフォームをするまで、ガルバリウム鋼板を知らなかったという方もいらっしゃるかもしれませんが、ガルバリウム鋼板素材の製品は、数多くあるのです。


業界としてもメリットがあります。

ガルバリウム鋼板がさまざまな製品として使われれば量産されることになり、価格が下がります。

屋根材としても、お安く提供できるようになるでしょう。



ガルバリウム鋼板ってどんな素材?


ガルバリウム鋼板とは、鉄をフラットな板状にした鋼板に、アルミニウム・亜鉛・シリコンの合金をめっきしたものです。


鉄は錆びやすいので、アルミや亜鉛でめっきすることで空気に触れるのを防ぎます。


酸化しにくくなることで、錆びを防ぎ、耐用年数も長くなります。

めっき層は、錆が発生したときに、めっきが先に錆びる性質があります。


そのため、元の素材の金属を守るという役割もあります。

トタン

ガルバリウム鋼板が登場する前のメッキ鋼板の主流は、トタンでした。

トタンはほとんどが亜鉛のみでめっきしたもので、普通の鋼板より耐用年数は長いですが、ガルバリウム鋼板に勝るものではありません。


ブリキ

スズでめっきしたものが、ブリキです。

スズという素材は、体内に取り込まれてもすぐに排出することから、缶詰などの容器にも使われていたそうです。

もし、ご自宅の屋根がスレート屋根で外壁は窯業系サイディングでも、お家にガルバリウム鋼板は使われていないとは言えません。


建物にも、ガルバリウム鋼板は多く使われています。

住宅の屋根がスレートだとしたら、棟板金はほとんどがガルバリウム鋼板です。


また、屋根の上に谷樋が設置されていれば、こちらもほとんどがガルバリウム鋼板の板金でしょう。

軒樋など雨樋が金属製というお家も多いですが、金属でもステンレス製・アルミ製・銅製などは高価なので、比較的安価なガルバリウム鋼板のことも多いです。


樹脂製の雨樋の場合においても、基礎と外壁の取り合いや下屋(1階屋根)と外壁の取り合いには、雨仕舞のための水切り金具が使われており、こちらもはガルバリウム鋼板です。(水切り金具=雨水の流れを調節する重要な部材)

ベランダやバルコニーの笠木が金属の場合、ガルバリウム鋼板かもしれません。


玄関ドアも同様です。

築年数の経ったお家では、金属製の雨戸や戸袋なら、それもガルバリウム鋼板でしょう。


このように、住宅のいたるところで、ガルバリウム鋼板が使われています。


ガルバリウム鋼板を作っているのは、大手製鋼会社

ガルバリウム鋼板が、わたしたちの暮らしに浸透していることをお話してきました。


ガルバリウム鋼板の製造は、大手の製鋼会社だけでおこなわれています。(JFE・日本製鉄・神戸製鋼・淀川製鋼)


大手は、製鉄から圧延・鋼板の成型・めっき工程まで、同じ系列でおこなえるからかもしれません。


製鋼会社で、アルミニウム・亜鉛・シリコンの合金をめっきされた鋼板は、ロール状に丸められた状態で、建材メーカーへ送られます。



ガルバリウム鋼板を成型するのが、建材メーカー


製造されたガルバリウム鋼板を、成型・加工し、外壁材や屋根材などの製品にしているのは、建材メーカーです。

アイジー工業は、金属建材の専門メーカーです。


超高耐久ガルバ製品「スーパーガルテクト」や、金属系サイディングの外壁を製造しています。

ニチハは、超高耐久の鋼板「横暖ルーフ」シリーズで知られています。


また、金属系サイデイングだけではなく、窯業系サイディングも製造しています。

ケイミューは、エスジーエル素材の「スマートメタル」を製造しています。


新築からリフォームまで、全てに対応できる、総合建材メーカーの最大手です。



今、金属屋根材や金属外壁材が注目される理由

近年の大地震では、瓦屋根の瓦の飛散や落下の被害が大きく取り上げられました。


瓦屋根は、屋根材を固定しないので地震には弱いのです。

2016年の熊本・大分地震では、熊本城の瓦が落下しているシーンも報道されました。


台風でも、瓦屋根の被害が数多く報告されています。

瓦が飛ばされた映像もありました。

ブルーシートで覆われた多くの屋根は、瓦屋根でした。


そうした被害を避けるためにも、飛ばされにくく、しっかり固定できる軽量の屋根材の需要は増えています。

屋根と同じように、外壁材も軽いほうが簡単な構造で耐震性を維持できます。


金属サイディングの外壁は、アルミやステンレスがありましたが、高価なため一般の住宅にはあまり使われてきませんでした。


現在では、性能は少し落ちますが、リーズナブルなガルバリウム鋼板が登場し、注目されています。

外壁材としてよく使われている、窯業系サイディングと大差がない高性能なものも登場しました。


金属の外壁材は軽量で、屋根カバー工法と同じ外壁カバー工法で、外壁をリフォームすることができます。



初期費用はかかるが、ランニングコストがいい、ガルバリウム鋼板


屋根材には、それぞれメリットとデメリットがあります。


瓦屋根は自然災害により落下の危険があり、スレート屋根は初期費用は抑えられますが10年ごとに屋根塗装メンテナンスが必要です。


そのデメリットを避けたいなら、金属屋根という選択になります。

「スーパーガルテクト」「横暖ルーフ」は、メーカー保証(変褪色15年・赤錆20年・穴あき25年)がついており、安心感もあります。


長期間メンテナンス不要ということで、ランニングコストは抜群です。

これはとても魅力的ではないでしょうか。



水はけ抜群!緩勾配でも設置できるガルバリウム鋼板


金属屋根材は、ほかの屋根材と比べて、水が入り込みにくい素材です。

そのため、緩勾配のゆるやかな屋根でも設置できます。


縦葺きと横葺きでは、大きな違いがあります。


横葺きの場合は、2.5寸勾配から設置できますが、棟から軒までの長さである”流れ長さ”が限定されてしまうので、施工はあまりおこなわれません。


緩勾配では棟から軒まで長くなり、水の流れが漏れてしまうことがあるからです。

例えば、「横暖ルーフ」を2.5寸勾配で設置した場合は、流れ長さは7mまでにしなければなりません。


住宅が正方形だったら、8坪未満です。


また、3.5寸勾配で設置すると、流れ長さは20mまでになり、これ以上の勾配にするのがベターです。

縦葺きにしますと、0.2寸勾配で設置できる屋根材もありますが、雨水が溜まりやすくなってしまうため、2寸勾配以上がおすすめです。


スレート屋根の最低勾配は、3寸勾配からとなっていますので、屋根カバー工法において、金属屋根材は縦葺き・横葺きどちらでも全てに対応できます。



ガルバリウム鋼板の進化系、エスジーエルとジンカリウム鋼板

エスジーエルは、ガルバリウム鋼板の3倍の耐食性を持つと言われています。


カタログでは、超高耐久ガルバや超高耐久としか記されていないのですが、アイジー工業の「スーパーガルテクト」と、ニチハの「横暖ルーフ」は、エスジーエル素材です。(エスジーエル鋼板のめっき組成と同じ数値)

メーカー保証期間も伸びています。


また、ケイミューの「スマートメタル」は、エスジーエル素材と明記されています。

ジンカリウム鋼板も金属屋根材に使われています。


こちらは塗装の代わりに石粒を吹き付けており、デザイン的にオシャレです。


ディーズルーフィングの「エコグラーニ」などが知られています。


ジンカリウム鋼板の基材保証は、30年という長期保証です。


ガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板の違いはめっき成分です。

ガルバリウム鋼板・ジンカリウム鋼板・エスジーエル鋼板の組成の比較をご覧ください。

ごくわずかな違いかもしれませんが、それぞれの数値を見てください。


ガルバリウムよりも強い、ジンカリウムとエスジーエルは、シリコンが0.1%多くなっています。


またエスジーエルに関しては、3つの鋼板の中で亜鉛の割合が最も少なく、その分マグネシウムが2%入っています。


エスジーエルを開発した日本製鉄のグループ会社によると、「マグネシウムが2%が最高の配分」だそうです。

ガルバリウム鋼板のメンテナンスは、どのようにおこなえばいいのでしょうか。


ガルバリウム鋼板のメンテナンスは、水洗いだけでOK!

ガルバリウム鋼板の屋根材や外壁材の製造メーカーは、年に数回の水洗いをすすめています。


普通の汚れなら水洗いでOK、落ちにくい汚れは中性洗剤でしっかり洗い流します。


水洗いでいいということは、雨が降れば洗い流してくれるということになります。


日本では平均して3日に1度雨が降るといわれていますから、実質的に水洗いは全体ではなく、雨の当たらない、当たりにくい部分だけで大丈夫です。

そして、春先になったら、必ず全体を水洗いをしてください。


気温が下がる冬の間は、道路の凍結を防ぐため塩化ナトリウムや塩化カルシウムが撒かれます。これらの成分は塩です。


金属に付着すると、錆びが発生します。

それらが残っている可能性があるので、雪が降らなくなったら、水洗いしてしっかり落とすことが大切です。


傷や錆びを見つけたら、すぐに修繕する

雨樋が落ち葉や枝で詰まってしまうと、水が流れなくなります。

溜まった雨水があふれて、金属屋根材や金属外壁材に滴るのは避けたいです。


落ち葉や枝が詰まって、雨桶の中で腐食すると、酸性になり雨水も酸性が強くなります。

雨は二酸化炭素を含んでいるので、もともと酸性なのですが、雨桶に溜まった酸性の水と混ざることで、酸性が強まってしまうのです。


金属だけでなく他の素材の建材にも悪影響なのは明白です。(*ここでいう雨とは、酸性雨のことではありません。酸性雨は、二酸化炭素だけでなく硫黄や窒素などの酸化物が含まれたものです。)

メンテナンスで、傷や錆を見つけたら、ケレンして錆止めと塗料でタッチアップをおこないます。

そうすることで、それ以上の劣化は避けられます。


三誠ホームサービスでは、屋根リフォームをご依頼いただいたら、1年点検それ以降は隔年点検にてメンテナンスをおこないます。


もしお家の屋根や外壁の金属部分に不安があれば、お気軽に当社にお問い合わせください。


無料点検では、しっかりと点検箇所を撮影し、お客様にご覧いただきます。

屋根など目視しずらい場所であっても、画像で確認できるので、安心していただけると思います。

ガルバリウム鋼板のデメリットとは


軽量で耐震性も高く、メンテナンスもラク、耐用年数も長い。


さらに品質がアップした鋼板もあり、メリットが多いガルバリウム鋼板ですが、デメリットもみてみましょう。



デザイン性が低かったが、現在はレベルアップ!

ガルバリウム鋼板には、デザイン性というデメリットがあります。

工場のような無機質な外観になってしまうというものです。


しかし今は、その無機質さが、シックでオシャレということで好まれる傾向にあります。


また、インクジェットプリンターでデザインできるようになり、そのデメリットも解消されつつあります。

多色で複雑な模様から、タイルやレンガなどのシンプルなものまで、さまざまなデザインが可能です。


現在では、シンプルなデザインに人気が集まっています。

窯業系サイディングは、凹凸が魅力的でデザインも豊富ですが、レベルアップしたガルバリウム鋼板も負けてはいません。


ディーズルーフィングのように、石粒が吹き付けられた屋根材はオシャレで人気があります。



初期費用がかかる

ガルバリウム鋼板の屋根材は、最も普及しているスレート屋根よりも価格は高くなります。


外壁材においても同様で、最も普及している窯業系サイディングよりも高価です。


ですが、メンテナンスの費用は抑えられます。

長い目で見れば、初期費用は高くても、コストパフォーマンスはいいといえるでしょう。


へこみや穴があきやすい