天井クロスが少しめくれたり浮き上がったりし始めると、何が原因なんだろう?と悩むと思います。
今回ご相談をいただいたお客様も、2階の天井クロスの剥がれているのを見つけ、このままで大丈夫だろうかと不安になったとのこと。
天井クロスの剥がれは雨漏りが原因で発生することもあるので、さっそくご自宅に伺って雨漏り調査を行いました。
今回は、雨漏り調査でわかった天井クロスの剥がれの原因についてご紹介します。
目 次
天井クロスの状態
2階を見せていただいたところ、部屋の隅の天井クロスが大きくめくれて天井のボードが見えている状態でした。
周辺のクロスの継ぎ目にも、少し浮いている部分が見られます。
クロスが剥がれた部分をよく見ると、天井にカビが発生して黒くなっているものの、クロス自体にカビは見られません。
壁の内側の湿気が原因でカビが発生し、クロスが剥がれたようでした。
天井クロスの剥がれの原因①天窓の割れと漆喰の劣化
次に、屋根に上がって雨漏りを実施しました。
依頼者のお宅は屋根に天窓があり、何らかの原因でガラスに割れが生じたらしく、コーキング修理を施しています。
また、天窓廻りの漆喰が経年劣化していることも発見。
ガラスの割れを修理したコーキング部分、古くなった漆喰が雨漏りを引き起こすきっかけになっているようでした。
本来、天窓には強化ガラスが使われます。
高い位置にあるので物がぶつかる心配も少なく割れにくいのですが、次のような場合には割れが生じることがあります。
温度差の影響で負荷がかかる(熱割れ)
網入りガラスを使っている場合の経年劣化(錆び割れ)
台風や竜巻が原因で飛んできたものがぶつかる
地震による衝撃
定期的な点検はもちろんですが、自然災害の後にも天窓の点検をしておきましょう。
天井クロスの剝がれの原因②谷樋にできた穴
屋根の上で、もう一つ雨漏りの原因になる部分を発見。
谷樋に穴が開いた部分がいくつかありました。
谷樋は、屋根と屋根が合わさって谷になる部分に設置される樋のことを指します。
柔らかく加工しやすい銅板を使用することが多く、「谷板金」とも呼ばれます。
谷樋は屋根に降った雨水を集めて軒樋へと流す、排水機能を持つ大事な部分です。
雨水が集中する部分ですし、雨が降るたびに同じ場所を雨水が流れ続けるので傷みが生じやすく穴が開いてしまうのです。
また、最近では酸性雨の影響で銅板が腐食してしまうケースもみられます。
さらに瓦の種類によっては釉薬(瓦の表面に付着したガラス質)が使われており、釉薬が流れて銅板を腐食させてしまうことも。
谷樋は下からは見えないので状態を確認しにくく、腐食や穴に気づくのが遅れがちです。
雨漏りの原因にもなるので、定期的な点検やメンテナンスをおすすめします。
天窓がある場合の注意点
採光の良さや換気、デザインの面からも、天窓を設置することがあると思います。
ただ、天窓にはしっかりしたメンテナンスが必要。
定期的なメンテナンスや自然災害後の点検を怠ると、傷みや劣化に気づくのが遅れて雨漏りの原因になってしまいます。
また天窓は外気と直接接するので内外の温度差が大きく、結露が発生しやすい部分です。
湿気が高くなって、カビやクロスの剥がれを引き起こさないように、注意しましょう。
まとめ
普段の暮らしで天井クロスを隅々まで見ることは少ないと思います。
だからこそ、クロスの剥がれに気づくのが遅くなるし、いつから剥がれていたのかわからずに不安が募るものです。
早めに対処すれは被害を最小限に抑えることができるので、ちょっとした不安でも、早めに信頼できる業者にご相談くださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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