足立区新田にて雨漏り発生、瓦屋根の一部葺き替えと瓦の差し替え工事をおこないました
- 1級外壁・屋根調査士 関裕一
- 2023年9月1日
- 読了時間: 6分
更新日:2024年1月14日

目 次
■工事のきっかけを伺いました

足立区新田のお客様より、雨漏りについてのご相談をいただきました。
きっかけは、天井に見つけた雨染み。
天井の真ん中に、大きな雨染みができているそうです。
すぐに点検に伺い、詳しく調査をしました。
お客様のお家は、陶器瓦屋根で築50年、ひび割れや欠けなどの劣化した瓦が見られました。
また、コーキング補修された瓦もありました。
瓦の劣化により、屋根に隙間ができ、雨水が建物内部に入り込んで、雨漏りを起こしていると判断しました。
屋根全体の葺き替え工事をご提案いたしましたが、かなり広いお家で屋根の面積が広いことに加え、将来的に建て替えを検討されているとのことで、今回は雨漏り発生箇所の一部葺き替え工事と劣化した瓦の差し替え工事をおこなうことになりました。
今回の工事の基本情報
施工内容:屋根一部葺き替え工事・瓦差し替え工事
施工期間:7日間
築年数:50年
■点検で雨漏り箇所を特定

点検時の室内の様子。
2階部分の廊下の天井に、大きな雨染みが見られました。

廊下を進んでいくと、廊下の突き当り部分にも雨染みが見られました。
雨染みは、室内の天井にもいくつか発生していました。
かなり広い範囲で、雨漏りしていると思われます。

屋根に上って、瓦の状態を詳しく見ていきます。
屋根瓦は、釉薬瓦が使用されていました。
破損した瓦が多数あることが、すぐにわかりました。

あちこちで、瓦のひび割れや欠け、コーキング補修された瓦が見られました。
瓦が損傷していると、隙間ができてしまうので、雨水が入り込んで雨漏りにつながる危険があります。

損傷した瓦をめくると、釘からひび割れが発生していました。
瓦を固定するための釘ですが、鉄製のため、錆びてしまっていました。
鉄製の釘は、劣化し、錆びると膨張します。
膨張した釘が劣化した瓦に圧をかけ、瓦が割れてしまったのです。
おなじようなひび割れが起こっている瓦が、50枚ほどありました。

瓦の劣化の状態を考慮し、お客様には屋根の葺き替え工事をご提案いたしました。
葺き替え工事ですと、かなり広い面積なので大規模な工事になります。
しかし、将来的に建て替えをされるとのことで、今回は、
雨漏り箇所の一部葺き替え
葺き替え箇所は面積5メートルほどになります。
破損した瓦の差し替え工事
葺き替えで撤去した瓦を再利用し、差し替えます。
をおこなうことになりました。
まずは、工事箇所をご紹介します。
室内に雨染みが発生していた箇所は、葺き替え工事をおこないます。
そして、割れや欠けのある損傷した瓦は差し替えます。
■工事開始:足場の架設

工事開始です。
足場の架設の様子。
資材などを運ぶのに使用する、電動のハシゴも設置しました。
また、作業スペースとして活用できるステージも設置しています。
資材の仮置き場としても使えるので、作業スピードもアップします。
このステージは、ハシゴを掛ける場所としても使えるので便利です。
■瓦の部分葺き替え工事をおこないます

葺き替え工事をおこなっていきます。
まずは、瓦を撤去します。
今回は部分葺き替えなので、葺き替えをおこなう箇所の瓦だけを撤去しました。

瓦の撤去後、桟木と防水紙も取り外しました。
どちらも激しく劣化していたので、あらたなものを取り付けます。

撤去した瓦をご覧ください。
同じような箇所での割れが見られますね。
この箇所は、瓦を固定するための鉄釘が打たれている箇所でした。
鉄釘の錆び太りによる瓦の損傷であることが、おわかりいただけると思います。

葺き替え工事で撤去した瓦です。
瓦の差し替え工事に使うために、状態の良い瓦を選んでおきます。

あらたな防水紙を敷いていきます。
使用したのは、改質アスファルトルーフィングです。
耐久性に優れた、高品質な防水紙です。
野地板は損傷が少なかったので、劣化した箇所のみ、あらたな野地板を増し張りし、下地を補強しています。

防水紙の敷設が完了しました。

あらたに敷設した防水紙の上に、桟木を取り付けます。
桟木とは、瓦を引っかけるためのものです。
木材を使用するのが一般的です。

葺き替え工事に使うあらたな瓦です。
一部葺き替え工事では、ぴったりと瓦を葺くために、カット加工してサイズを調整する必要があります。
カット加工は、屋根にしっかりと合わせるためにとても重要なので、慎重に作業していきます。
サンダーで、瓦をカットしました。

あらたな瓦を取り付けていきます。
瓦の固定には、ステンレス製の釘を使用しました。
鉄よりも、錆びにくく耐久性も高いので長持ちします。

平瓦部分の一部葺き替えが完了しました。
つづいて、大棟を戻していきます。
■大棟を戻します

葺き替え工事で、一旦取り外していた大棟を戻します。
まずは、土台部分に漆喰を塗ります。
使用したのは、南蛮漆喰です。

のし瓦を取り付け、南蛮漆喰で接着します。
そしてその上に、冠瓦を設置します。
ステンレス製のワイヤーで、しっかり固定しました。

元に戻った大棟の様子。

大棟を戻し、一部葺き替え工事が完了しました。
きれいに仕上がっていますね。
これで、雨漏りも解消です。
■瓦の差し替え工事をおこないます

瓦の差し替え工事の様子。
瓦の状態を確認しながら、差し替えていきます。
葺き替え工事で撤去した瓦の中から、状態の良いものを選んでいましたので、その瓦を差し替えに使用しました。
差し替えた瓦の固定にも、ステンレス製の釘を使用しています。
■工事が完了しました

一部葺き替え・瓦差し替え工事がすべて完了しました。
瓦の劣化が進んでいましたので、屋根全体の葺き替えのほうが安心ですが、建て替えのご予定もおありとのことですので、それまでの応急処置的な葺き替え工事となりました。
雨漏りの原因となっていた損傷箇所の葺き替えができましたので、雨漏りを解決することができました。
また、瓦を再利用して、損傷した瓦も差し替えましたので、すぐに雨漏りが再発する心配もありません。
雨漏り修理は、おまかせください。
すぐに点検に伺い、お客様のご要望に沿った補修工事をご提案いたします。
まずは、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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