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足立区千住にて山車蔵の雨漏り 瓦屋根の葺き替え工事をおこないました


目 次



■工事のきっかけを伺いました

足立区千住のお客様より、雨漏りについてのご相談をいただきました。

神社の山車保存会のメンバーの方です。


山車蔵の掃除をおこなっていたときに、雨染みを見つけたそうです。


すぐに点検に伺い、調査したところ、山車蔵の屋根はかなり劣化が見られました。

屋根瓦の亀裂や剥離が激しかったので、屋根の葺き替え工事で雨漏りを解決します。


今回の工事の基本情報
  • 施工内容:屋根葺き替え工事

  • 施工期間:10日間 

  • 築年数:60年以上




■点検の様子

この山車蔵は、築60年以上だそうです。


外壁については、メンテナンスをおこなっているそうで、きれいな状態でした。


屋根は見ることができないこともあり、後回しになってしまい、今回の雨漏りまでメンテナンスしていなかったということです。

山車蔵内部の様子。


屋根裏は経年により、黒ずんでいました。

山車は濡れないように、ブルーシートで完全に覆われています。


点検に伺った当日は、晴天続きということもあり、内側からは雨漏りは確認できませんでした。

屋根に上っての点検の様子。


屋根瓦が、激しく劣化しているのがわかります。


大きな亀裂も見られます。

これほど大きな亀裂であれば、雨水が入り込むことは十分考えられます。

瓦の剥離も、多数確認できました。


現在の製造方法において、瓦の剥離というのは起こりません。

瓦の剥離は、昔の製法によるものです。

単窯で数枚ずつ焼き上げていくため、焼きムラが起こり、剥離や破損する瓦が出てしまうのです。


それほど、昔の瓦を使用しているということですね。

割れている瓦もあります。

大棟瓦の様子。


通常、大棟は、隙間を作りながら、のし瓦を積んでいくのですが、こちらは隙間なく積まれていました。


この施工では、雨漏りしやすくなってしまいます。

鬼瓦の飾り漆喰も劣化していました。


飾り漆喰とは、鬼瓦の見栄えを良くするために作られるもので、昔はよくあったそうです。



以上が、点検時の山車蔵の様子です。

今回は、屋根瓦の損傷と屋根全体がかなり劣化していましたので、屋根の葺き替え工事をご提案いたしました。





■工事開始:足場の架設

まずは、足場の架設をおこないます。


トラックを横付けしている様子。

資材を置いている様子。


足場の架設は、はじめは安定感がないので、スピーディーにおこなうことが大切です。

そのため、すぐに作業できるように、建物のすぐ近くに資材を置いておきます。

足場の1本目の位置を決めている様子。


土台をしっかりと決めることで、スムーズに組み立てることができます。

決めた土台から、最初の1段目を、横方向に組んでいきます。

上段に向って、組んでいく様子。


最初の1本目は、不安定で崩れやすいので、慎重におこなっていきます。

建物をぐるっと1周する感じで、組んでいきます。


足場の架設方法は、建物などの状態によっても変わり、1面ずつ、組んでいくこともあります。


その時の状態で、最適な方法でおこなっています。

足場の架設が完了したら、養生シートを取り付けます。


足場架設のポイント!

  • 資材の運搬に、大きなトラックが必要

  • バランスを取りながら、慎重に組んでいく

  • 鉄製の足場を組む際に、ハンマーを使用するので、大きな音がする

足場の架設には、大きなトラックの往来があり、騒音なども出ますので、近隣への配慮は欠かせません。


当社では、工事前に必ず、近隣へのご挨拶に伺い、工事内容の説明もさせていただいております。





■古い瓦を撤去

いよいよ、葺き替え工事です。


まずは、古い屋根瓦をすべて撤去します。


大棟から、軒先へと順に取り除いていきます。

瓦を積み上げながら、撤去している様子。


こうすることで、取り外した瓦が運びやすくなります。

瓦の撤去をスムーズにおこなうために、運搬用トラックを横付けしています。

葺き土を撤去している様子。


葺き土は瓦の接着のために使われていましたが、今は劣化してしまっているので、接着の役目は果たしていません。


葺き土とは?

瓦の固定に使われる粘土です。


断熱効果も高く、強風にも強いのですが、経年により劣化すると、瓦の固定力は弱まってしまいます。

また、一度瓦を外すと、接着効果はなくなります。


昭和初期までは、この葺き土がよく使われていました。

現在では、釘やビスで固定されることのほうが多いです。

土嚢袋に、撤去した葺き土を入れていきます。

屋根の下地が見えてきました。


今日の作業は、ここまでです。

この状態で、雨が降ると雨が入り込んでしまいますので、養生をおこなっておきます。

ブルーシートで屋根全体を覆い、雨対策をしています。


厚みのあるブルーシートを使用しているので、雨が降ってもしっかりカバーしてくれます。





■野地板・防水紙の設置

既存の野地板に、新たな野地板を取り付けます。


野地板設置のポイント

  • サイズ:約90センチ×約180センチの一枚板

  • 厚さ:10~12ミリ

屋根の葺き替え工事では一般的に、既存の野地板は撤去せず、その上に新たな野地板を取り付けることで、補強効果もアップします。


新たな防水紙を敷設している様子。


防水紙の重なり部分は、深めにとります。

そうすることで、雨水が入り込むのをしっかりと防ぎます。



■瓦の取り付け

桟木を取り付けている様子。


桟木は、屋根材を固定するための、釘を打つ土台となるものです。

屋根材のサイズに合わせて、取り付けます。


素材は、木材や樹脂製のものなどが使われます。

木材は腐食すると、雨漏りにつながるというデメリットもあるので、注意が必要です。

強力棟金具を取り付けている様子。


強力棟金具は、棟芯材を固定する部材です。

棟芯材を入れることで、大棟の耐震性をアップさせます。

これから取り付ける瓦を、屋根に上げて並べておきます。

屋根瓦の高さを合わせるために、軒先部分に桟木を設置します。


屋根の勾配や形状・屋根材によって、15ミリから30ミリと厚さも変わるので、しっかりとサイズを測り、取り付けます。

軒先専用の瓦を、軒先側から、横1列に取り付けていきます。

平瓦を取り付けている様子。


右から左へと、取り付けていきます。

右から左へというのは基本ですが、大きな屋根などでは、多くの職人がそれぞれの場所から葺いていく工事もあります。

縦1列ずつ、上に向って、取り付けていきます。

大棟の隙間ができている端の箇所は、調整用の瓦を使用し、漆喰などで接着しています。


調整用の瓦とは?

大棟にできた隙間を埋める役割があり、取り付け箇所によって、サイズは変わります。

調整用の瓦は、和瓦だけでなく、洋瓦やスレート瓦にも使われます。


漆喰などで接着します。

釘で固定するのは、瓦に穴を開けることになるのでNGです。

雨漏りの原因になってしまいます。

丸冠瓦を、大棟の端まで取り付けます。


丸冠瓦は屋根のサイズ調整という役割もありますが、必ず取り付けるというものではありません。


今回はお客様のご希望があったので、取り付けています。



■大棟の設置

大棟の棟芯材を、強力棟に固定していきます。


棟芯材を固定することで、地震の揺れにも強くなり、耐震性がアップします。

のし瓦を積み上げていきます。


1段ずつ、針金で固定しました。

針金で固定するのは手間がかかりますが、しっかりと固定することができます。


昔は、針金ではなく、土を使っていました。

天日干しをした硬めの土に水を加えて、少しずつやわらかくしながら、施工していました。


ですが現在では、

  • 2トン以上の大量の土が必要

  • 運搬が困難

  • 土を乾燥させる場所がない

  • 土をやわらかくする技術が必要

などの理由で、使われなくなりました。

2段目以降の、のし瓦を取り付けていきます。

南蛮漆喰を、のし瓦に塗りこみ、固定していきます。


南蛮漆喰が乾くと、接着効果が高まり、しっかりと固定されます。

大棟の両端には、鬼瓦が付いています。


鬼瓦の背面には穴が空いており、その穴から屋根の下地に固定する針金を通します。



鬼瓦とのし瓦の隙間には、漆喰が塗られていますが、漆喰は経年で劣化し、剥がれてしまうこともあります。

すると、その隙間から雨水が入り込み、雨漏りにもつながりますので、定期的なメンテナンスをおこなってください。

大棟冠瓦を取り付けている様子。


のし瓦を、鬼瓦より少し低いところまで取り付けたあと、大棟冠瓦を設置します。

冠瓦を固定しているのは、パッキン付きのビスです。


パッキンが付いているので、水の侵入をしっかりと防ぎます。

棟心材まで届くように、長さのあるビスを使用しました。


ビスをてっぺんから打ち込むことで、冠瓦・のし瓦に圧力がかかり、固定力も高まります。

瓦を固定するための釘穴から、パッキン付きのビスを打ち込みます。

鬼瓦とのし瓦の隙間には、コーキングボンドを塗り、しっかりと防水しています。





■工事が完了しました

作業で使用した道具などを片付け、掃除をおこないました。


そして足場を解体して、工事はすべて完了です。

「とてもきれいになりましたね。雨漏りもなくなり、これで安心です。」

「今度は、外壁もお願いしたい」

との、お言葉もいただきました。


もちろん、アフターメンテナンスもおまかせください。

工事後も、気になることなどございましたら、ご遠慮なくお申し付けくださいませ。



サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス)の屋根プロ110番では、今回の山車蔵のような屋根の修理や工事も承ります。

雨漏りを発見したら、まずはお気軽にお問い合わせください。



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「著者情報」

 関裕一 

東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット

​サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者

18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。

​塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。

お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。