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【屋根瓦の寿命を延ばす!】漆喰の詰め直しや取り直しで瓦屋根の寿命を延ばすことができる!




家を長持ちさせるのに重要な箇所の一つが屋根です。この屋根が本来の機能を失い雨水が入ってくるようになると雨漏りを引き起こしますし、侵入した雨水は柱などを腐食させる原因になります。この屋根の機能を長く保つための役割があるのが漆喰です。漆喰は前5,000年前から使用されるほど歴史が古く、白色が美しい姫路城は白壁などに漆喰を使っています。漆喰は白壁として使うだけでなく、瓦や石材を接着させる役割もあります。

瓦屋根では漆喰を使って瓦を固定させたり接着させたりするために使うのですが、雨や風、直射日光、温度差によって徐々に劣化をしてしまいます。漆喰にヒビが入るだけで固定や接着の効果が弱まるので、強い風が吹いたりちょっとした地震でも、瓦がズレる、瓦が落下する可能性が高いです。漆喰の劣化に気づかずに放置をすると、固定や接着が弱まったことで瓦同士が干渉して欠けたり割れたりして雨漏りをしやすい状態にもなってしまいます。


目 次









漆喰の状態が比較的軽度なら詰め直しをおこないます。

軽度な状態で詰め直しをすることで施工費用も抑えることができます。

漆喰の状態がひどいケースでは、取り直しという施工をおこないます。

この施工は、すでに瓦がズレてしまっている、漆喰がほとんどなくなっている状態のときにおこなう施工です。

屋根の頂上にある棟瓦を取り外してから漆喰を詰め直したあとで再度棟瓦を設置します。




古い漆喰を除去していきます。



詰め直しをする場合には、まず漆喰を除去することが初めの作業です。

古い漆喰が残っているとその上に新しい漆喰を詰めてもすぐにはがれるため、丁寧に除去作用をおこないます。

右側の写真では取り除いた漆喰の下に茶色い土が見えます。

漆喰が劣化するとこの土が出てしまうので、漆喰の傷みが確認できたときには早急な修繕が必要です。


新しい漆喰を詰めます。


漆喰を細部まで隙間なく塗り、表面をきれいにならすのはとても難しい作業で、ここは職人さんの腕の見せ所です。

漆喰を詰める作業はすべての箇所にしていきます。



すべて漆喰を塗り終えれば施工は終了です。


きれいに漆喰の詰め直しの施工が終わった状態を見ると雅な雰囲気を感じることでしょう。

丁寧な施工をすると20年は保つことができ、安心して生活ができる環境となります。

屋根を長持ちさせるためには小さなヒビなども早めに発見することが大切です。

小さなヒビでもそこから雨水が侵入すれば屋根材の劣化を進行させてしまいます。

小さな変化を見逃さないためにも定期的な点検をしましょう。





まずは棟や漆喰の状況を把握することから始めます。


左の写真には、棟の中心に赤線を引いています。

本来、棟はまっすぐになっている必要がありますが、この線を引くことで棟が曲がっていることがよくわかるでしょう。

また、右の写真を見ると漆喰がはがれていることがわかります。

漆喰がはがれることで棟の中にある土が水分を吸収しやすくなります。

このことで傷みが発生したり固定力が低下したりすることで棟が曲がってしまいます。


設置した棟瓦を撤去していきます。



左側の写真は棟瓦を取り外した状況です。

写真を見ると分かりますが、瓦を取り外した下には土が盛られています。

その下にも瓦がありますが、その瓦も取り外します。

瓦を取り外した状態が右側の写真です。

瓦を取り外してもさらに下には土がもってありますが、この土は棟を支えるために大切な土台です。

漆喰が劣化して土が流れてしまうと棟の固定力が弱まります。



古い土を取り除いて新しい土を盛ります。



左側の写真は古い土を取り除いた状態です。

糸を張って棟瓦をまっすぐに設置する目安にします。

瓦や土の設置をするだけでなく、このときに次の作業で使用する棟瓦の固定用銅線も仕込みます。


棟瓦設置後は漆喰を詰める作業です。



のし瓦や土でできた土台に棟瓦を取り付けます。

左側の写真は棟瓦設置前で、ここに棟瓦をかぶせます。

そして、のし瓦と屋根瓦の間には漆喰を詰め直して、あらかじめ仕込んでおいた銅線で固定をします。



銅線の後処理をして引っかからないようにします。



銅線で固定した後は、飛来物が引っかからないようにします。

処理後が左側の写真です。

丁寧に銅線が処理されていることがわかります。

銅線に枝やビニール袋などが引っかかると、そこに雨水がたまってしまってトラブルの原因になるので、銅線の後処理もとても重要な作業です。



鬼瓦の周辺も漆喰で固定します。

最後に鬼瓦も取り付けて漆喰で固定をする作業をおこないます。

左側の写真は固定後の写真です。

あとは、漆喰が乾けば施工終了となります。




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「著者情報」

 関裕一 

東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット

​サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者

18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。

​塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。

お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。

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