目 次
■工事のきっかけを伺いました
足立区江北のお客様より、雨漏りについてのご相談をいただきました。
屋根の状態は気になっていたけれど、先日雨漏りが発生してしまい、早急に何とかしてほしいとのことでした。
点検に伺い調査した結果、今回は葺き替え工事をご提案いたしました。
お客様のお家は瓦屋根でしたが、瓦屋根より軽量な金属屋根材を使用します。
今回の工事の基本情報
施工内容:屋根葺き替え工事
使用材料:コロニアルクァッド
施工期間:6日間
築年数:30年
■点検で屋根の状態を確認します
瓦屋根の状態を確認しました。
定期的にメンテナンスをおこなっていたということで、瓦の浮きなどはありません。
瓦自体の寿命は長いですが、定期的なメンテナンスは必要です。
だいたい15年くらいです。
瓦も経年劣化することで瓦がゆがんだり、瓦の間に隙間ができることもあります。
漆喰の補修、防水紙の交換があれば、一緒に瓦の葺き直しをおこなうのがおすすめです。
お客様のお家の屋根は瓦屋根ですが、ラバーロック工法がおこなわれていました。
ラバーロック工法とは、瓦屋根をコーキングによって固定する工法です。
しっかりと固定することで、強風などで起こる瓦のずれや落下を防ぐことができます。
しかしラバーロック工法をおこなうと、「瓦の再利用ができなくなる」「誤ったやり方だと湿気がたまり、下地が損傷してしまう」というデメリットがあります。
通常、平瓦は山部分と下の角をL字に固定します。
軒下も換気でき、雨水もスムーズに流れます。
しかしこちらのお家の屋根は、平瓦の下端をすべて固定していました。
このやり方ですと、雨水が流れなくなってしまい、下地部分が痛んでしまいます。
防水紙も損傷していると思われますが、ラバーロック工法をおこなうと、瓦を取り外せないので、下地の確認ができません。
漆喰の点検もおこないます。
漆喰が劣化すると、下の葺き土に雨水が入り込み、雨漏りにつながってしまいます。
漆喰の劣化が屋根全体の劣化につながることもあり、定期的なメンテナンスは欠かせません。
瓦屋根は寿命が長いので、損傷している瓦だけ差し替えたり、瓦を再利用する葺き直しをおこなうことで、メンテナンスが可能です。
ですが、ラバーロック工法で瓦を固定した場合、瓦を取り外すことが困難で、取り外しても瓦が割れてしまう可能性もあり、差し替えや葺き直しはおすすめできません。
「地震などでも被害の少ない、軽い屋根材にしたい」という、お客様のご希望もあり、今回は軽量な屋根材「コロニアルクァッド」での葺き替え工事をご提案いたしました。
■工事開始:瓦を撤去しました
工事は、瓦の撤去からはじめます。
瓦の重量は、30坪の屋根で2000枚、約6000kgにもなります。
そして、瓦の撤去・処分には時間とコストがかかります。
葺き替え工事のデメリットといえますね。
コストを抑えるために、葺き直しやカバー工法をおこなう方もいらっしゃいます。
瓦を撤去したあとの、下地の様子。
穴が空いてしまっていますね。
この状態では防水紙の役割は果たせず、雨水が家に入り込んでしまいます。
このように下地の状態を確認できるのは、屋根材を撤去する葺き替え工事だけです。
■下地の補強と防水紙の敷設をおこないます
浸水によって、下地も劣化していましたので、重ね張りで補強しています。
下地の補強後、防水紙を敷設します。
使用したのは、改質アスファルトルーフィング「カッパ23」です。
通常のアスファルトルーフィングより、強度が高く、防水性・耐久性に優れているのが特徴です。
大切なお家を雨から守るという、大切な役割がある防水紙ですので、性能の高いものを選ぶことをおすすめします。
■コロニアルクァッドで葺き替えます
いよいよ、葺き替えをおこなっていきます。
使用した屋根材は、ケイミュー「コロニアルクァッド」です。
軽量でコストパフォーマンスが良い、人気のスレート屋根材です。
なんといっても、重量は瓦の3分の1という軽さが魅力でしょう。
屋根を軽くして耐震性を高めるために、スレート屋根にするというお客様に数多く選ばれています。
スレート屋根は、雨や風、紫外線などによって塗装が劣化するので、定期的なメンテナンスはしっかりとおこないましょう。
棟部分には、換気棟を設置しています。
熱がこもった小屋裏の空気を換気棟から逃がし、新鮮な空気を取り入れることができます。
換気棟は小屋裏の換気をスムーズにするだけでなく、調温・調湿に優れた機能を発揮します。
■工事が完了しました
工事がすべて完了しました。
下地をしっかり補強し、コロニアルクァッドで軽量な屋根に生まれ変わりました。
雨漏りも解消です。
耐震性を高める、軽量な屋根材への葺き替え工事もおまかせください。
雨漏りや屋根のメンテナンスなどお困りのことがございましたら、屋根プロ110番の雨漏り駆けつけ隊に、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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