
工事のきっかけはこうです‼
足立区小台で築50年の住居にお住まいのM様から、2階部分の軒天と破風、建物の四隅につている金属板の塗装工事のご相談を頂きました。
この時は、屋根の吹き替え工事をご依頼頂いており、当初の予定では屋根の工事のみでしたが、せっかく足場を架けるのだから、一緒に付帯部の塗装もお願いしたいとのご相談でした。
M様は普段からDIYで、お住まいに手を掛けられており、もちろん塗装もされているとのことでしたが、さすがに2階部分は作業ができないため、今回のご依頼となりました。
目 次
ビフォー、アフター

黒ずんだ汚れが付着し、見た目が悪くなっていた軒天と、錆が発生して変色してしまった樋隠しが新品のように綺麗になり、M様にとても喜んで頂くことができました。
気になる部分だけ塗装工事を
お願いしたいのですが⁉

今回は、M様のご指定の範囲のみ塗装工事をさせていただきました。2階の軒天と樋隠し、建物の四隅についている金属板のみの塗装です。
全ての範囲の塗装となるとそれなりの金額になり、負担も大きくなりますが、今回のように部分的に気になっている部分だけならば、出費も少額ですみます。
業者に依頼するときは、なんとなく「住まいの外壁や屋根の塗装工事でなければ受け付けてくれないのではないかしら」と思いがちですが、そんなことはありません。
それよりも付帯部の、古くなって劣化した塗膜を放置しておく事は、建物自体の寿命を縮めることになりかねません。
機会をみて、メンテナンスをすることが肝心です。今回と同じようなご要望をお持ちの方は、ぜひご相談ください。
工事は軒天の下地調整から

今回のご依頼者M様は、1階部分の手の届く部分など、DIYでできそうな部分は、ご自分で塗装をしてみたいとのことでした。ですから、2階部分の手の届かない、危険な部分だけを塗装工事をすることになりました。
上を向きながら塗装する軒天塗装は、意外と難しいのですが、ご自分の家だからこそ、ご自身でメンテナンスするという心構えは、素敵だなと感じました。
海外ではDIYが当たり前で、なんでも自分で、メンテナンスする習慣がある国もあるようです。日本では、まだまだ珍しく、あまり見かけません。
DIYをされる際には、軒天に塗装する塗料は、透湿性のあるものを選ぶなど、塗料選定に気を付けることをお勧めします。下調べを入念に行ってから、作業を行う必要があります。
工事前の軒天は、古い塗膜が劣化して浮き上がり、ボロボロと塗装が剥がれている状態でした。
先ずは塗装施工をする前に、古い塗膜を剥いで、下地の調整を行います。古い塗膜をそのままにしていると、せっかく新たに塗った塗装ごと、剥がれてきてしまいます。しっかりと、調整していきます。
下地の調整ができたら、下塗りとしてシーラーを塗装します。下塗りをしっかりと施工することで、この後の作業である、中塗り・上塗りの塗料の密着性を高めます。
下塗りは仕上がった後では、見えない部分ですが、このような調整作業を行うことで塗装の持ちを良くさせます。
塗料は、関西ペイントから出ている「ビニデラックス300」の白色塗料です。塗装施工後の、有害物質であるVOCの放出量が1%以下なので、健康に優しい塗料とされ、室内外問わずに使用することができます。
ビニデラックス300は、密着性が良いために耐水性・耐洗浄性に優れており、軒天に塗装施工をする際は、多くの業者さんに選ばれています。
軒天の仕上げ塗装

下塗りの作業を経て、ビニデラックス300を使って中塗り、上塗りと2工程の塗装施工をします。こうすることで、塗装面に耐久性が増し、色味にも重厚感がでます。
下塗り、中塗り・上塗りと3工程の塗装を施工することは、湿気や汚れの付着からお住まいを保護し、更に長持ちさせることにも繋がります。
軒天の塗装施工の際には、養生が欠かせません。塗料が垂れることが多いので、塗装面以外の部分への塗料の付着を防ぐために、養生は必須です。
樋隠しのケレン作業、錆止めの塗装

軒天の塗装が完了し、作業は樋隠しの塗装工程に入ります。
樋隠しとは、雨樋を建物の外から見えないように覆っているカバーのことです。多くの樋隠しは、鉄で造られています。最近のお住まいでは、見かけなくなりました。雨樋を隠して生活感を無くすことが、おしゃれとされていて、昔の高級住宅には樋隠しが多くみられました。
もともとは、塗装されていたのでしょうが、さすがに50年前の建材なので、塗装が剥げてしまい、満遍なく錆びてしまっている状態でした。
錆をそのままにして塗装すると、内部で錆が広がり続けて、塗装後の表面にも錆が出ます。そのため、鉄部を塗装する際は先ず、目荒らしのケレン作業を行い、錆や古い塗装を丁寧に取り去ります。
この作業は、塗料を密着させ、建材の持ちを良くする為に、とても重要です。ケレン作業の後に、錆止め塗料を塗装します。
今回使用させて頂いた錆止め塗料は、関西ペイントのスーパーザウルスⅡという塗料です。
樋隠しの仕上げ塗装

錆止め塗装の工程を終えた後に、作業はいよいよ中塗り・上塗りの塗装工程に入ります。
樋隠しも軒天と同様に、2工程の塗装を施工します。金属の付帯部を、錆や汚れの付着から保護し、耐久性を良くするために、必ず2工程の塗装をします。
中塗りの乾燥時間を設ける必要があるので、その日の工事の進み具合と、乾き具合によっては、2日に渡っての作業になります。
塗料は、日本ペイントのファインウレタンU100を、使用させて頂きました。2液のウレタン系塗料です。今回の樋隠しのような鉄部塗装は勿論、モルタルやサイディングボードなど、幅広い素材に対して塗装することができる万能塗料です。
M様のご希望を伺って、色はS23⁻255という茶色を選びました。落ち着いた印象で、高級感のある色合いに仕上がりました。
四隅の鉄板塗装

建物には、四隅に金属版が貼られていましたが、その部分も錆が出て、塗膜の劣化が進んでいました。
もとは白い色だった筈なのに、全体が茶色に変色していました。この部分にも、まずは樋隠しと同様に、ケレン作業・錆止め塗料の塗装を行い、下地調整をさせて頂きました。
ようやく工程は、中塗りと上塗りになります。2工程の塗装を施工することにより、艶感が出て美観が整い、その上耐久性も増します。
四隅の鉄板は、お住いの美観を左右する上でも、ポイントとなる部分です。
塗料は、ファインウレタンU100の白を選んで、塗装施工致しました。施工後は、元の白さを取り戻し、綺麗に蘇りました。お住まい全体の印象も、輝きが増したようです。
工事の全工程が完了しました!

こうして、軒天・樋隠し・四隅の鉄板の塗装工事が、完了いたしました。
錆や長年に渡って付着した黒ずみ汚れが目立って、美観を損ねていましたが、築50年のお住まいが、輝きを取り戻し、若返りました。M様にも「まるで新築のように、綺麗になりました」と喜んで頂けました。
さらに付帯部の塗装は、美観を整えるだけではなく、お住まいを長持ちさせるためには、必要なメンテナンスです。
工事を先延ばしにしていたら、その分お住い自体の耐久性に影響が出てきます。非常に良いタイミングでの工事だったと言えます。
全面的な外壁塗装はもちろんですが、今回のM様のご依頼のように、気になる部分の塗装のみの場合でも、お気軽にご相談ください。
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス)では、新型コロナウィルスへの感染対策として、マスクの着用や手指の消毒を徹底して実施しております。お問い合わせの際は、どうぞご安心ください。
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「著者情報」
関裕一
東京都足立区出身 1級外壁・屋根調査士・ドローンパイロット
サンセイホーム(株式会社三誠ホームサービス) 最高技術責任者
18歳から塗装職人として2.250件以上の施工に携わる。
塗装業界の歪んだ構造を塗り替えるべく、奇跡の「新時代塗装」倶楽部を主催している。
お家を長く保つアドバイスを、分かりやすくお伝えします。
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